子どもが習い事を辞めたがっているけれど、辞めることに迷うこと、ありますよね?
- 子どもが習い事を辞めたがる理由
- 辞めるかを迷う時、結論を出すための考え方や、親子で納得のいく解決法
この2点についてお話をしていきたいと思います。
私が大事だと考えていることは「例え一回しか通っていなくても、辞めることは全く悪いことではない!」ということ。
そんなことはわかっている….でも、上述のような考えがムクムクと湧いてきて、やはり迷う!確かに親子ともに納得して、良い結論を出したいですよね。
そのためには辞めたがる理由を知ること、そして一番大事な「子どもの気持ちに寄り添う」ことが円満解決への道だと信じています。
寄り添うって簡単なようで意外と難しい、そんなコツなどをお話させていただきます。
習い事を辞めたがる理由
まず子どもが習い事を辞めたがる例をいつくか見ていきましょう。
- 先生・指導者から理不尽な扱いを受けた(感情的・一方的に叱られたなど)
- 想像していたほど興味がなかった
- 友達が辞めちゃった
- スランプ状態から抜けられない
- 体力的に難しい
- 他に優先すべきことがある
上述6項目以外にもい理由はあるはずです。また、子どもが辞めたい理由は同時にいくつもあったり、複合的に絡んでいることもあります。
上記の6項目の辞めたがる理由をそれぞれ詳しく見ていきます。
理不尽な指導者の場合
一つ目の「指導者の理不尽な扱い」は大事です。
「先生との相性」というくくりの中に入れられることもあります。でも、相性ということではなく、ちょっとした誤解から辞めることに発展する場合もあります。
大人なら「対等な人間として扱われていない」「理不尽な言動が繰り返されている」と判断ができます。だからさっさと見切りをつけて辞めてしまうこともできれば、指導者の態度や表現を変えてもらうように様々な方向からアプローチする知恵も持ち合わせています。
この表現というのが、案外見極めが大人でも難しい!本質的にはとても良い指導者なんだけれど、表現や伝え方に問題があることってあります。先生の誤った表現に対し、
「先生は生徒の存在を否定したわけではなく、その問題行動を注意したたけ。でもより問題が大きいのは生徒の問題行動よりも、『生徒の人格や存在自体を否定するような』指導者の伝え方や表現。」
大人ならば客観的にこのような状況把握が出来ます。また、指導者が人格者ばかりでないしそれを求めることもやや求めすぎかも?と大人なら思えるのです。
また、「先生のいつもの言い方と違うから、今日は怒りポイントに触れてしまったのか、別の理由で機嫌が悪かっただけかな?」と適当に受け流すこともでます。
一方で子どもはどうでしょう。不当な言動を受けた際、その状況を正確に把握することも、状況を言語化することは中々難しい話です。
先生の伝え方次第では、子どもは「自分が悪かったんだ」「自分は嫌われているかも」「もう(教室・習い事の場所)に来ないでほしいと思われているかも」「(先生に会うのが)怖い」と捉えてしまってもおかしくありません。
特に「自分が悪いから」と意味のない反省をし、親にもそれを上手に伝えることが出来ず、何となく「行きたくない」、と言い出して辞めたがるのが子どもあるあるではないでしょうか。
このような場合は、すぐに指導者に詰め寄る前に、まず子どもに対して、「○○先生に叱られたかもしれないけれど、あなたは何も悪くないよ」「あなたはとても大事な存在だよ」というメッセージを送り続けましょう。
これらは大人でも指導者からキツイ言葉を言われた時にかけられたい言葉です。
そして子供の様子を経過観察するのも一つの手だと思います。指導者の言動がほんの1回だけのことで、繰り返されるわけではなければ、子どもも案外忘れて継続できるもの。
指導者が人格者ばかりでないし、人格者であることを要求することも若干求めすぎでは?と思います。指導者も自分も人間、お互い感情的になることも時にはあるよね、くらいの寛容な気持ちで接していた方が、適当な関係を築きつつ、習い事も上達につながる気がします。
辞めるかどうかを決めるのは、その後でも良いですよね。時間が経っても子どもの様子が変わらなかったり、他の保護者からも同じような情報が入ってきた場合は、辞め時なのかもしれません。
そして辞めると決まっても「色々とあったけれどよくがっばったね!」と言ってあげると良いですね。大人自身が習い事をしていると、大事な決断をした後でかけてもらいたい一言の想像がしやすい気がします。
想像していたほど興味がなかった
子どもは好奇心の塊の生き物!興味など日々変わります。
面白そう!と思っていたものの実はそうでもなかったなんて当たり前の話。大人でもそんなことの連続ではないでしょうか。
今回お話している解決策とは少し逸れますが、習い事を始める時点も実はポイントになってきます。辞める時の条件を予め話し合っていれば、それに照らして迷うことなく結論を出せることも多いです。習い事を続ける期間、○○検定合格、✕年生まで、など。
一方で何となく始めたので、辞める時の判断基準がなくて迷っているという場合、個人的にはあっさり辞めてしまってもいい、と考えています。
何となく始めた、ということは親子共に強い思い入れを持っていない場合も少なくないでしょうし、その習い事に時間を割くことがあまり効果的だと思えません。
そもそも始める当初、その習い事を長く続けられるほど興味を持っているのかどうかなど、子ども自身にわかるわけがありません。まして、子どもは日々新しいものに遭遇することの連続で、興味の対象が目移りするのは自然で、成長の証でもあると思うのです。
どんなことが好きで、得意で続けられるのか、逆に苦手で嫌いなことがどんなことなのか、そういうことは早い時期に自覚できた方がその後の進路選択にも有利に働くし、子どもの時期だからこそ思う存分体験することが許されると思っています。
「今までよくがっばったね!次はどんなことに挑戦するのかな?」と前向きにねぎらってあげることで辞めることになった子どもも報われることでしょう。大人でも飽きたら次の習い事に迷うことなく邁進しましょう(笑)
子どもの興味と習い事を辞めることに関して15以上も習い事をした実話があります。後ほど紹介させていただきます。
友だちが辞めちゃった
大人の習い事では友だちが辞めることは、自分が続けることに大きな支障はないように思えますが、子どもにとっては大事な要因となります。
学校と習い事という小さな世界の中で生きている子どもにとって、その中での仲良しと会えなくなることは、生活が一変することに等しいことだと思うのです。
こちらも先ほどのことと同じですが、習い事を始める時点で辞める時の条件などを話し合っていれば、著しく迷う度合いが低くなるかもしれません。
それでも、仲良しさんがいなくなることは寂しいですし、もし習い事を始める時点で辞めても良い条件や、辞めるまでの最低期間と言った約束ごとがない場合は迷うところでしょう。まして習い事を始めたきっかけがその仲良しさんだったら、なおさら迷われるかもしれません。
もし、習い事を始めた後でそのお友達と仲良くなった場合は、ちょっと安心材料があります。それはこの先も、仲良くなる子がお教室に入ってくる可能性が十二分にあること、既にいる他の子と仲良くなるチャンスであることを伝えられるからです。
とはいえ「それでも○○ちゃんがいないのはやっぱり寂しいよね~。頑張ったね。」という声かけはしてあげた方が良いですね。
しばらく経っても辞めたがるようであれば、それだけ習い事そのものへの意欲が薄れたと捉え、迷うことなく辞めるのも良いでしょう。ただ、「辞めることと、仲良しさんと以前のように定期的に会うこと」は全く別のことである、と子どもが理解する必要はあります。
辞めることが次の新たな習い事につなげよう!と親子で心機一転する良い機会と捉えられるかもしれませんね。
スランプ状態から抜けられない
大人も子供も真面目に取り組む人ほど陥るのが、スランプ!
好きだからこそ一生懸命こなしているのに、全然上達していない、むしろ下手になっていたり、自分より下のレベルだと思っていた人に追い抜かれたり。
心理的に辞めたくなったり、自分の限界を知った時が見切りのつけ時、と辞めることを前向きに捉えることもできますよね。
でも、このスランプを乗り越えてこそ見えるものがある、と大人は経験上わかっています。続ける気持ちになれるような言葉かけって、難しいなぁと思います。実際に自分がその立場になってみて、どんな言葉もかけられたくない時もあれば、気を取り直してありがたく思うこともあるからです。
「私も上達しなくて辞めたくなったことたくさんあるよ~。」これは習い事をしているからこそ出る言葉ですよね。
「あなたの頑張っている姿だけで十分励みになるよ、続けてくれてありがとう。」「しばらく休んでもいいし、辞めてもいいよ。」「何の心配もしていないよ。」
声をかけてあげた後で様子見をするのもアリですが、お子さんの性格を知る親だからこそ、かけてあげられる言葉やタイミングがよくわかると思うのです。
辞めるかどうかまさに迷うところでしょうが、気落ちすることは向上心の表れでもあるので、休む時期を区切って、その後続けることも選択肢に入れてもいいですね。
もしスランプがきっかけでその習い事を辞めても、次の新たな習い事につながるチャンスと捉えればスランプも必然だったと将来思える日が来る可能性もあります。
体力的に疲れている
大人の場合、仕事をしながら、家事をこなしながら習い事をすることは、体力との闘いです。
家事やその他の責任がないとはいえ、子どもも似たり寄ったりです。そもそも体力が大人ほどない場合が多い上に、学校行事の運動会や遠足のある日の習い事はキツイものです。疲れて行きたくないこともあるでしょう。
一時的なことなのか、続けることに体力的な限界が来ているのか見極めるのが難しいかもしれませんが、学校生活に支障を来すようであれば辞めた方が良いと言わざるを得ません。
親戚の話ですが、コロナ禍で運動会が半日になったために、夕方からのスイミングに行くことが可能になりました。その日疲れているから休む、となると他の日に振り替えなければなりません。当然別の日の何かを犠牲にしなければならないので、それは嫌だ!と渋々ながらプールに行き泳いできたのです。1キロも!!
ところが帰宅後に「疲れたよ~。だから行きたくなかったんだよぉ!」と大泣きしたとのこと。話を聞いた時は「休ませてあげればいいのに」と一瞬その子どもを気の毒に思ったのですが、この親子の判断は大正解だと思っています。
考えてみたらその子は11歳男子。身体もだいぶ大きくなってきたし、社会の道理もわかってきている年齢。体力的にしんどい日に自ら「スイミングに行く」と決めて泳いできたことは、自分の体力の限界に挑戦し、やればできることを自覚出来て11歳にとって自信につながる成長の機会だったことでしょう。
大泣きして怒ることなく受け止めてくれる親の存在も将来の思い出になって、次世代に受け継がれるかもしれません。
大人は習い事が終われば責任ある仕事や家事が待っていたり、翌日は早朝から仕事、時には出張、なんてこともあるかもしれない。それでも習い事と仕事を両立する体力のある人は、その原点が習い事で培った体力かな?と思うこともあります。
「習い事をしていたおかげで体力ついたんだ~」と親が話してあげたら、子どもはそのメリットに気づくかもしれません。とはいえ、本当に体力的に厳しそうな場合は、回数を減らしたり一定期間休むといった方法も必要でしょう。
完全に辞めることを迷っている場合は、色々と試してからでも遅くないでしょう。
他に優先すべきことがある
大人の場合は、親の介護、子どものPTA、転職、など一時的に習い事の優先順位を下げなければならない場合があります。
一方で子どもの場合も、子どもなりの事情があるかもしれません。
並行して取り組んでいる他の習い事にもっと力を入れたい、放課後友達と遊ぶ時間を確保したいなど、あるでしょう。小学生の中学受験は習い事を辞める大きな理由の一つではないでしょうか。
他の予定を理由に習い事を辞めたがる時、あるいは辞めることを迷う時、物事に優先順位をつけることを親子で一緒に考えるいい機会と捉え、それぞれのメリット・デメリットを話し合うのはいいですね。そういう時に習い事をする時間をやりくりしている親の話は、説得力が増すと思います。
優先順位をつけることって、その後の学生生活ひいては仕事でも大事なことですから、なおさら子供の成長につながりそうですね。
その結果、お互いが納得した形で継続・辞める、を決められるでしょう。
大人が寄り添うためには
子どもが辞めたがる理由を見てきましたが、その言動の背景や解決法などをまとめます。
- 辞めたい本質的な理由を子ども自身、理解できていない。
→本当は話を聞いてもらいたいだけ。 - 感情の問題。
→話を聞いてもらいたいことに加え、感情が落ち着いたり状況の変化を待つ時間の経過も必要。 - 子どもなりに理解はしているが、偏っている。
→友達の受け売りをしていたり、誤解をしていることが多い。辞めることでメリットが何もないことに気づく視点や余裕がないだけ。 - 辞めたい理由の筋は通っているものの、正確に言語化できない
→大人が汲み取る必要がある
これらを理解できず溝を埋めるのが難しい場合もありますが、その解決法って意外と大人はたくさん持っているんです!
というのも、子どもたちの辞めたがる言動の背景は、実は大人も日々直面することだったりするからです。
話を聞いてもらいたい、余裕がなくて広い視点で考えられない、第3者に話を聞いてもらうことで状況整理してもらったら意外と解決できた、など居酒屋で繰り広げられるアフターファイブのリアルな大人アルアルでは?
フルタイム勤務している場合、日々のストレスに直面し、辞めたくなることも子どもの習い事の状況と似ていること、ありますよね。同僚が転職して新天地で楽しそうにしたり、思ったほど仕事内容に興味がもてなかったり、残業や休日出勤が続いて体力的にしんどかったり…
習い事と違うのは、入社時点で辞めるまでの期間や条件など自分で設けることがほとんどないことかもしれません。まして、習い事と異なって、生活の基盤だからなおさら辞めることを迷うわけです。でも、習い事を辞めたがる子どもと共通項ってあるんですよね!
例え仕事で困ったことや辞めるか迷っていなくても、学生時代のクラブ活動などでも子どもの習い事と同じような経験って、大なり小なりあると思うのです。
大人は子どもの習い事と同じことをかつて経験しているのに、全く別世界の出来事と考えてしまい、さらに自分がリアルに経験していないことなので余計に決断に迷うのかもしれません。
親子と言えども人間は自分と同じ経験ではない出来事への想像が働きにくいものなのです。子どもが習い事を辞めたがることに迷うのは仕方ないことと思います。でも、ちょっと自分事として置き換えることはできるし、最強の解決法は、親自身も習い事に取り組むことだと考えています。
リアルタイムで子どもと同じ状況に身を置くことで、子どもの立場や気持ちを理解しやすいものです。
とはいえ、習い事ができないことも多々あります。そういうわけで、今までの経験を総動員して寄り添って是非子どもの立場や状況に想像を働かせてみてください。
子どもたちは大人が考えているほど自分の気持ちや状況を表現しきれていません。だからこそ話をうのみにせず、色々な状況を推測しながら、子ども目線で考えて迷いのない結論を出すことが大事なのです。
実はこの子どもの立場に寄り添うことの大切さは、自身も習い事を通して子どもたちに英語を教える中で気づかせてもらったことなのです。
パッションの大切さを貫いたスカイ重子さん
以上、習い事を辞めたがる理由、辞めるかどうかを迷った時の考え方や解決法などを私の経験をもとにお話させてもらいました。
ここでたくさんの習い事を経験したからこそ成功した事例を紹介させていただきます。辞めたがる理由や、迷った時の解決に参考になると思いますよ!
15以上の習い事を経てアメリカの「全米最優秀女子高生」、ボーク・スカイさん(苗字・名前の順)をご存知でしょうか。
2017年にアメリカの大学奨学金コンクール「The Distinguished Young Women of America(全米最優秀女子高生)」で優勝したスカイさんのお母さまは日本人で「ボーク・重子」さんと言います。
このお母さまは今や教育界のカリスマとして話題となっていますが、お嬢さんのスカイさんに習い事を15個以上経験させた結果、最終的に残ったのがバレエだったそうです。
- 考えるべきは「その習い事に子どもがパッション(情熱)を感じられるか」のみ
- 親から見て「上手なもの、向いているもの」が最適とは限らない
- 子どもが嫌がる習い事はやらせる意味がない
- 習い事探しで自らに課してきた5つの決め事
- 「何のためにやるの?」という質問を習慣に
- その習い事で将来プロになれるか迷ったらどうすべき?
1.「その習い事に子どもがパッション(情熱)を感じられるか」
本当にやりたいことに巡り合った時は、恐怖心も自ら克服していくもので、実際にバレエも男性ダンサーと二人で踊るようになって、高く掲げられたりしても、『怖いけど大丈夫』と言っていたそうです。
2.上手なもの、向いているもの」が最適とは限らない
スカイさんが競技スキーの方が向いていて、レースチームに入るように何度も誘わたほどだったからだそうです。ところが、スカイさんは興味を示さなかったそうなのです。
仮に競技スキーでオリンピック選手になれたとしても、本人は達成感を感じることはありませんし、そこに幸せはないと重子さんは判断されました。
3.子どもが嫌がる習い事はやらせる意味がない
重子さん曰く「人生には大変なことがたくさんある。習い事くらいは純粋に楽しめ、情熱を注げるものだけにしてあげたい。」とのこと。
パッションがあれば、多少困難があったり、伸び悩んだり怠けたくなったりした時でも乗り越えていけるはずで、それが結果的に、社会で生きていく力を身に付けていくことにつながるというのです。
激しく同意するところです。
4.習い事探しの5つの決め事
ボーク重子さんが習い事をする際に決めていたことが、5つあったそうです。以下がその内容です。
- 数多くの選択肢を示す
- いろいろな人に会う機会をつくる
- 子どもの「フロー状態」を見逃さない
- 好きなことが見つかるまで探し続ける
- 始め方、やめ方のルールを決めておく
詳細はここでは割愛させていただきますが、2点めちゃくちゃ同意できるところがあるのでお話しますね。
1つ目は、2.「色々な人に会う機会をつくる」こと。子どもは親や学校の先生だけでなく、思いもかけないくらい多くの人たちから影響を受けて成長するので、色々な人と出会うことで視野や世界も広がりますよね。
これは私が学校現場というどちらかというと閉鎖的な環境で働いていたので、身をもって実感できることです。
2つ目は5.「やめ方のルールを決めておく」ことです。ルールを何が何でも守り通すぞ!ということではありませんが、このルールがあることで辞めることを迷うケースがかなり減るのではないかと思うのです。
これは英語を教えてきて、辞めることを迷っているのではないかと思われる親子を見てきているからです。迷うことも必要なプロセスなので、迷わないことが良いことだ!とは一概に言えません。ただ、本人の興味の向かないこと、あるいは好きではないことに時間とお金を割くことで得られることって少ないと思うんですよね。
また親が迷っていたら、子どももどうしたらいいのか余計に迷ってしまうこともあります。親が信念を貫くためにも、予めルールがあることで親子とも気持ちよく習い事に取り組める可能性は上がると思います。
5. 「何のためにやるの?」という質問を習慣に
目的意識を明確にさせるためですが、その質問を繰り返すうちに子どもは意識を持つようになるそうです。
そしてその目的意識が芽生えてから最終的に社会の一員としての自覚にまでつながるというから、素晴らしいことだとつくづく思います。私の想像を部分的に補いつつ、その流れを解説させていただきます。
最初:上手になりたい(単なる自己実現が目的)
↓↓↓↓↓
キラキラしたきれいな舞台を通して観客に楽しい気分になってもらいたい(質問を繰り返すことでより大きな目的へ)
↓↓↓↓↓
社会の一員として自分が上達しなければならない(さらなる努力といった好循環が生まれる)
あくまでも私の想像ですが、社会の一員としての自覚はバレエの舞台を通して生まれたのだと思います。
それは、舞台裏やその他で公演を支える人々の存在、足を運んで観に来て下さるお客さんあってこそ舞台が成り立つことなど、舞台に立つことを通し、そして目的への対話を親子で繰り替えす中で社会の仕組みが見えてきたのではないかと思います。
自己実現から大きな目的やビジョンを描けるようになるというこの流れが段階を踏んで大きな成長につながっていくことがわかりやすいですね。
年齢は大人であっても大人になり切れていない人が少なからず社会には存在すると感じます。その人たちは、平たく言えば自立していないと言えますが、もう少し具体的に言うと、自分たちの行動の中で「好循環」ができていないのだと思います。
ここでいう「好循環」とは、スカイさん・重子さん親子が目的意識を明確にしていくうちに最終的に到達したものですが、自分のパッションを見つけられないがために、循環を生み出すこともできない人たちなのかもしれません。
6. その習い事で将来プロになれるか迷ったらどうすべき?
『パッションと共に生きていくには、どうしたらいいと思う?』と重子さんは娘のスカイさんと話し合わました。
『勉強をして自分の幅を広げておくといいと思う』という結論に至り、スカイさんはご自分の判断で、勉強にも力を入れることにしたそうです。
こうした計画性や実行能力が身に着いたのも、パッションがあったからこそ。パッションは問題解決の原動力。と重子さんは述べられています。
重子さんのきめ台詞
「何もうちの娘が特別なわけじゃないんです」と重子さん。
「本人の心の底から湧き上がる“パッション”こそが、子どもの心を動かし、子どもを大きく成長させる原動力になると知ってほしい。お子さんが小さい時は、ぜひ習い事でいろいろチャレンジさせながら、パッションの芽を育てていただきたいと思います」
先ほど、習い事を辞めたがる理由の二つ目に、「想像していたほど興味がなかった」ということを書かせていただきましたが、それが子どもで当たり前なのだということが、こういう事例を通してお分かりいただけるでしょうか。
日本語にすると「情熱」だけど、「パッション」ってカタカナにすると響きが素敵だし、本気度が増す感じがするのはわたしだけでしょうか?お子さんが必ず持っているパッションを見つけてあげることが大人の役割なんだと改めて教えていただいた気がします。
迷っている時は「パッション」を基準にされるのもアリですよ!
ボーク重子さん・スカイさん親子の詳細はこらら→「全米最優秀女子校生」を育てた母に学ぶ。子どもに習い事をさせる本当の意味とは?」
まとめ
子どもが習い事を辞めたがっている理由、そして辞めることを決めきれずに迷うのは、子どもの気持ちや状況を理解しづらいからかもしれないこと、それに有効なのは大人の習い事を通して子どもに寄り添えること、などをお話させてもらいました。
子どもが一度「やる!」と口にし、決めたことは「徹底的にやるべき」「安易に辞めるべきではない」という考え方は昭和の世代にはありました。実は私はこの考え方に賛同しがちなところがあります。
そして実際に辞めずにいて良いこともありました。生活リズムを作る、時間の管理、学校以外の仲間、舞台の本番で実力が発揮されることが難しいこと、日々の練習の大切さ、プロとはどういうものか、などなど。
でも、「楽しくなかった」と思うのです。
子どものことを考えたら、楽しいこと、重子さん流で言う「パッション」が必須条件だと思うのです。ただ、注意が必要なのは、この「楽しい」「パッション」をアミューズメントパークのような「一方的に与えてもらえるだけの楽しさ」と混同しない、ということです。
楽しんで夢中に子どもたちに質問したり、つらそうな時に声をかけたり、とサポートしていることを伝え続ける中で、本当に楽しんでいるのか、パッションを持っているかが見えてくるでしょう。
習い事を通して子どもたちは色々な気持ちを体験しています。自身もクラシックバレエという習い事を通して子どものたちの立場を日々体験しているからこそ、気持ちの理解が逆に英語を教える立場にとして大変役立っています。
親ごさんたちも習い事をされることで、辞めたがる子どもたちの気持ちに寄り添いやすく、また迷うことなくいい形で親子で結論を導きやすいのではないかと考えるのです。
お子さんが習い事を辞めたがっている?辞めるか迷っている?これはまさにチャンス!
色々な習い事に親しんだり、子どものパッション探しをしながら、お子さんとの関係がより深く、豊かになりますように!
参考)どんな習い事がある
大人も子供も今は実に習い事が多岐にわたっています。
大人の場合「昔取った杵柄を復活させる」というよりは、未知の領域、初めて取り組む分野のものが良いと思います。より子供の立場に近づけるからです。
大人におすすめの習い事はこちら。→大人になってから始めたおすすめの習い事ランキング【男女500人にアンケート調査】
子ども向けの習い事とその解説はこちら。【子供の習い事一覧】定番からニッチなものまで全50種を解説!
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