「ピラティスの効果はいつから?始める目的と利点を初心者が語る!」

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ピラティスの動き:ロールアップ

ピラティスという言葉、ちょっと気になる健康法として耳にすることはありませんか。

最近では一般的になってきましたが、このイメージや理解がかなり人によって違いがあるのではないかと感じています。それどころか、ヨガの一種でしょ?と誤解する人もいます、これは不思議ではない話で、実際に共通するところもあるんです。

何を隠そう40代の私自身、ピラティスとヨガの違いも全く知らない状態で始めました。初めは意味も分からず、どこに意識を向けていいかもわからず、意欲もあるのかないのかわからないまま取り組んでいました。

そんな私でしたが、気づいた時にはピラティスの良さを日増しに実感し家でも取り組むようになり、身体の動かし方や体型まで変わってきたのです。取り組み始めてから半年と少し経ち、レッスンの回数は週1回ほど、通算35回前後というところです。

  • ピラティスとヨガどちらにも興味があるので違いを知りたい
  • ピラティスに取り組むこと検討しているが、目的と利点を知りたい
  • 始めたものの、効果を感じられるのはいつからだろう?

そんな人に初心者目線で役立つお話をお届けしたいと思います。

ピラティスとは?

ピラティスの目的と利点、そして効果を理解してもらうためにピラティスについて知っておくとよりわかりやすくなるので、簡潔にお話させてもらいます。

そもそもピラティスとは人の名前。ドイツ人とギリシア人のハーフのドイツ生まれ、アメリカで亡くなりました。混乱を避けるため、この先の表記について人名には「ピラティス氏」とし、運動メソッドについてはそのまま「ピラティス」とさせてもらいます。

本人曰く「10回で気分がよくなり、20回で見た目が変わる。そして、30回ですべてが変わる。」とのこと。

そんなピラティス氏、そしてそのメソッドについて、以下の動画がとてもわかりやすく解説しています。概要は動画の後にまとめましたが、字幕機能などを使ってお好きな言語でご覧いただくこともできます!

ジョセフ・ピラティスの生涯

概要は以下の通りです。

  1. ピラティス氏の生い立ち・幼少期
    1883年ドイツ生まれ。父親はギリシア出身の体操選手、母親はドイツ人の自然療法医で人間の自然治癒力の信奉者。両親こそが彼のピラティスメソッドの土台を作る。幼少期のピラティス氏は大変病弱で、喘息(気管支弱い)、クル病(骨が弱い)、リウマチ熱(免疫機能が弱い)に悩まされる。
  2. 青年期
    虚弱体質のためにからかわれ、体質改善を決意。喘息改善のために呼吸法を考案し、骨強化を目的として日光浴によるビタミンD補給などを繰り返し、14歳には健康を取り戻し健康な肉体を持つようになる。スキーやアウトドアスポーツを好み、ボディビルディング、ヨガ、武術、体操を学び、これらすべてがピラティス(メソッド)の動きにつながっていく。
  3. イギリス移住・第一次世界大戦
    1912年にイギリスに移住。プロボクサー、サーカス団員、ロンドン警視庁での護身術指導などで生計を立てるものの、1914年に第1次世界大戦が勃発、敵国のドイツ人としてマン島(イギリスとアイルランドの間の島)に抑留される。
  4. 抑留キャンプでの生活・スペイン風邪
    収容所の悪い衛生環境の中、自身の考案した健康法を収容員仲間たちに毎日取り組むよう推奨。収容されたドイツ人負傷兵に対してまで、寝たきりでできるベッドを使ったリハビリ法を考案。これが現在活用されているCadillac(キャデラック)やReformer(リフォーマー)と呼ばれる機器の起源となった。1918年、世間ではインフルエンザが猛威を奮うものの、収容所でピラティスメソッドを続けている負傷兵たちのうち一人も死者が出なかったことは後々の語り草となる。
  5. ドイツ帰国・アメリカ移住・出会い
    戦後ピラティス氏はドイツに帰国。ダンサーや運動選手と共に活動し、ハンブルグでは警察官たちの指導に当たる。ドイツ軍の要請も求められ、当時の政治思想や社会情勢に落胆し、国を後にして渡米。そのアメリカに向かう船で後に奥さんとなる女性(看護師)と出会う。
  6. 渡米後の業績、ピラティスメソッドの心髄
    ピラティス氏と奥さんの二人はニューヨーク市にスタジオを構え、1960年代まで指導に当たる。
    筋肉コントロールの意識を主眼とするこのメソッドを、2人はContorology(コントロール論・コントロール学)と名付ける。
  7. ピラティスの特徴
    2人のスタジオの立地上の理由で会員の多くはダンサーたちで、著名なバランシン、マーサグラハム(二人とも著名なダンサー、演出家、振り付け師)もその一員だった。ピラティスの動きは、ダンスの動きと、グラハムメソッド(先述のマーサグラハム考案)とも関連が深い。
    大きな特徴は①呼吸 ②深部筋肉への意識 の2点に集約される。
  8. ピラティス氏の性格・活動
    性格は華やかで、パーティを好み、生涯喫煙を続けた一方、指導は厳しいが、非常に熱心な指導者だった。ピラティスメソッド(コントロロジー)指導だけでなく、多くの器具の考案、本も2冊出版。1967年、83歳でニューヨークにて死去。
  9. ピラティス氏の死後
    1980年代まではダンサーや一流スポーツ選手たちが主流だったが、近年では老若男女、性別、体型に無関係に健康増進に役立つ者として捉えられている。
    直弟子たちをElders 、そのまた弟子たちをprodigy と呼ばれ、その他のピラティス指導者たちと共に、世界中に普及活動を続けている。
  10. ピラティスの特徴
    呼吸を使った深部筋肉の強化・コントロール、正しい姿勢の保持、怪我予防、リラックスを主体とした12項目。

そもそもピラティスが人の名前だったことすら知らなかった私ですが、1.生い立ちでドイツ人とギリシア人のハーフだったことは写真で見る限りではわからなかったし、3イギリス移住・第一次世界大戦~5ドイツ帰国・アメリカ移住・出会いの経緯で海外を転々とする様子は、アジアの島国で生まれた日本人としては想像できないスケールの大きさです。

このような経緯から今も全世界にピラティスが広まっていることを考えると、ピラティス氏は本当の意味でのグローバルな人だったのかなと思わされます。

また、ヨガの仲間なのかな?と当初思っていた私ですが、実は当たらずとも遠からず、ピラティス氏自身ヨガを学ばれていたのですから、ピラティスメソッドに何かしら影響を及ぼしていることが動画で語られています。

とはいうものの、ヨガとはやはり違うもの。どちらに取り組もうか迷っている人もいらっしゃると思うので、次に違いを具体的に見ていきましょう。

ピラティスとヨガの違い

ピラティスとヨガとの違いを理解するために、ヨガの起源を簡単に紹介します。

「ヨガの歴史をさかのぼると、そもそも『ヨガ=瞑想』であったことがわかります。人類が普遍的に抱える苦悩や、生きることの辛さから逃れるために瞑想を取り入れたことが、ヨガの起源です。でも、ただ座って瞑想するのは難しい。そこでポーズをとって、体の動きと呼吸に集中し、瞑想の効果を高めていくという、今あるヨガの形になっていきました」

心を整える「瞑想」、具体的なやり方とは。効果と実践方法を専門家に聞いた

ヨガをすると身体が柔らかくなるものだと思っていた私は、何とヨガのことすら全く無知だった!瞑想するために呼吸があり、巡り巡って身体が柔らかくなるんですね~。

ヨガとピラティスの違いの比較一覧をどうぞ!

 ヨガピラティス
起源4500年前のインド
仏教・ヒンドゥー教の修行の1つ
呼吸と瞑想を利用 
心と身体をリラックス
100年ほど前の欧米
自身・負傷兵たちのリハビリ
呼吸を利用
インナーマッスルや体幹を鍛える
目的心身の安定身体の健康的な鍛錬
呼吸腹式 鼻から吐いて鼻から吸う胸式 鼻から吸って口から吐く
動きポーズをキープ筋肉を意識して動かす
効果 メンタルを整える
→食欲が自然な形へ
筋肉への刺激→ボディラインを整える
内臓への働きかけ→体内を整える
自律神経を整える
総じてダイエット効果
筋肉の緊張除去+
筋肉コアの安定 →体幹強化  
背骨・骨盤の位置の安定化
→姿勢改善
自律神経を整える
身体強化・正しい姿勢保持
ヨガとピラティス比較

共通点として呼吸を使うところがあるのために、私はピラティスをヨガの仲間だと勝手に解釈したのかもしれません。とはいえ、正確には呼吸の際に意識する場所もお腹と胸とで違っていて、この違いは見逃してはいけない大きなポイントです。

つまり瞑想やリラックスを主たる目的として運動をしたい人はヨガを、怪我予防やきれいな姿勢保持、体幹トレーニングを強化したい人にはピラティスを選ぶことで、効果的に目標を達成しやすくなるでしょう。ここから先はピラティスの目的とその利点をもう少し具体的に見ていきましょう。

目的と利点

ピラティスの動画にもあったように、その特徴は、以下の3点に集約されます。

  1. 深部筋肉の強化・コントロール
  2. 正しい姿勢の保持
  3. 怪我予防

この3点は目的と言いかえてもいいですが、理解の助けとなると思うので、利点と合わせて、この目的をもう少し具体的にお話します。

1.深部筋肉の強化・コントロール

深部筋肉を強くしたりコントロールすることで、本来は使わなくて良い筋肉を無理に使ったり動かしたりする必要がなくなります。人間が脚を上げる動作一つとっても、実に多くの筋肉が使われるのですが、深部筋肉の強化によって使わずに済む筋肉が出てくるのです。

正確に言うと全く使わないわけではなく、「必要以上の力をかけずに済む」のです。本来はつく必要のない部位に余計な筋肉がついてしまうことで身体を動かしにくくなっていることもあるし、身体のラインが損なわれてしまうこともあります。厄介なのは、これらを自覚しにくいことです。

つまり、深部筋肉の強化やコントロールをすることの目的と利点は同じであり、「最終目的の動作・動きに効率的にたどり着く」、「身体のラインが美しくなる」、という同時に二つのメリットを得られるんです!

2.正しい姿勢の保持

現代人って姿勢が悪いと言いますが、個人的には現代人のせいではなく、そもそも人間が猿から分かれて二足歩行になった時から始まって、文明の利器が発達するたびに加速していったのではないかと考えています。

ピラティス氏も先の動画の中で、米国における1960年代当時の「現代人の不健康のもと」を以下の3点に集約していました。

  • 生活習慣
  • 姿勢の悪さ
  • 効率の悪い呼吸

この2つ目の「姿勢の悪さ」を改善するには、背骨(脊髄)や骨盤、そしてその周りの筋肉を強化し意識することが重要になってくるのです。それによってそれぞれの骨の正しい位置が保られるのです。

もし骨が正しい位置にないまま身体を使っていたとしたら、身体の動きの角度が正しくなくなり、その結果筋肉に過度の負荷がかかったり、余計な力を必要として疲労したり、本来不要な筋トレに走るかもしれません。

骨が本来の位置に安定し、正しい姿勢が保たれることの利点は、効率的な筋肉の使い方、力の使い方にもつながるし、余計な疲労もせずに済むことです。また不要な筋トレもしないので体力や時間も節約できます。何よりも、姿勢が良いことはスポーツをする時だけでなく、日常生活の中でも大切なことなのは明らかです。

ピラティス氏の時代はパソコンも今ほど普及していなかったし、ましてスマホなどありませんでしたから、現代人を見たらピラティス氏はさぞ仰天するでしょうね~。今の時代においてますます姿勢の良さは大事で、姿勢の美しさによって相手に好印象を与えられたら、オトクだと思いませんか?

3.怪我予防

これまで述べてきた2点、「深部筋肉の強化・コントロール」と「正しい姿勢の保持」を意識してピラティスに取り組むと、必然的にこの3点目である「怪我予防」につながるものと捉えています。

利点は明らかで、怪我をしたい人など誰もいないことが前提です。ピラティスに取り組む人の多くにダンサーたちが多いのはお話してきていますが、彼らの中には、怪我をして余儀なく踊れない日々を強いられた結果、ピラティスと出会ったという人も少なからずいるようです。

怪我のデメリットは、怪我をした人それぞれ異なると思いますが、まず何よりも日常生活に支障をきたすことが多いと思うのです。歩く、走るだけでなく、階段の上り下り、モノを拾うとか、お風呂に入るとか今まで当たり前にできていたことが出来なくなる。

場合によっては痛みで夜、眠れずに夜中に何度も目覚めてしまうこともあるかもしれません。そうなったら日中の生活にも支障をきたします。しっかりと睡眠がとれないと精神面でも悪影響を及ぼします。最悪、気持ちが負のスパイラルに入ってしまうことすらあるでしょう。

今までできていたことができなくなった、ということにばかり気持ちが向いてしまい、怪我したからこそできることもに注意が向かなくなります。そういう余裕など微塵もなくなってしまうのは想像がつきますよね。

それほど怪我って人をネガティブにさせる力を持っていると思います。ピラティス氏は身体の弱かった幼少期の体験から、そのようなことを理解されていたのかもしれません。

ところが、怪我をしたからこそできることって案外たくさんあって、怪我をしてピラティスと出会ったダンサーたちの中には、何とそこからダンサーをやめて、ピラティス指導者に転向された方もいらっしゃるほどなんです!まさに怪我の功名と言えますね。

効果はいつから

ピラティス氏は以下の名言を残しています。

「10回で気分がよくなり、20回で見た目が変わる。そして、30回ですべてが変わる。」

“You will feel better in ten sessions, look better in twenty sessions, and have a completely new body in thirty sessions.”

Joseph Pilates Quotes: The Meanings Behind His Top Quotes

もし週に一回取り組むとすると、30回達成するまで半年以上も時間がかかります。とはいえ、初心者が毎日するには筋肉損傷を起こしてしまう可能性があるようなので、初めのうちは週に1~2回に留め、20回過ぎてから頻度を高めると、4ヵ月くらいで30回に届きますね。

私の場合はクラシックバレエの基礎作りのために週に1回から始めました。気づくと半年が過ぎ、数えてみたら回数も30回以上を経ていて、その頃には、バレエの身体の使い方も以前よりずっと正しくできるようになっていたし、週に一回のピラティスレッスンを休むと途端に身体が重く感じるほどになっていたし、何よりも体型が変わりました。

具体的には、張り出していた両腿がひっこんで細くなったのです、体重はそのままで!(=食事量も内容も全く変わらず。)全く期待していなかっただけに嬉しい発見でした。

とはいえ、初めの10回くらいは苦痛でしかありませんでした。そもそもバレーボールを学生の頃にしていて、激しい運動を好んでいたことに加え、身体がものすごく硬かったからです。

一滴も汗をかかないピラティスは特に寒い冬には硬い身体にはますます痛い動きもあり、そもそも正しい動きなのかどうかもわからない、一つ一つの動きが何につながり、どんなメリットがあるのか、全てがさっぱりわからなかったのです。

回を重ねるごとに一つずつ解決されていき、身体の使い方を理解してくるにつれ、自宅でも毎日10分程度ですが、柔軟運動を兼ねてピラティスをするようになりました。バレーボール時代にけがをしたせいで、歪んでいたと思われる身体も自力で整った感じがするし、足首の捻挫もしやすかったのが、全くなくなっていました。

同い年のスポーツ万能だった知人が、最近運動不足でウオーキングをするようになったものの、道中で段差に足を取られて捻挫をしたと聞きいたとき、ピラティスは本当に汗こそかかないけれど、筋力を強化し、体幹を整えてくれていることを確信しました。

まとめ

ピラティスの概略、ヨガとの違い、ピラティスを始める目的と利点、いつから効果が表れてくるかをお話してきました。

世の中には身体に良い運動は星の数ほどあり、その中から自分に合った筋力アップや健康法と出会うのは簡単ではないです。私はピラティスと、そしてその指導者と巡り合えたことを幸運だと思っていて、その良さを一人でも多くの人にお知らせできたらと思い記事にしました。

人にもよると思いますが、私の場合はピラティスを最終目的とするのではなく、バレエという踊りを上達させるために取り入れたことで、より効果を感じやすく楽しめているように思います。言いかえると、最終目的達成のための手段にした方がコツをつかみやすく効果が出やすいように感じるのです。

もちろんピラティスを最終目的、最終的に達成したい目標として取り組まれるのもアリです!

もし始めようかどうしようか、ヨガとどっちがいいかな、など迷いがあれば、とりあえず一度スタジオに足を運んでみてはいかがでしょうか。オンラインもありますが、初めのうちは、わからないことだらけです。

また、マネをすることではなく、感じることが大事と聴いたこともありますから、使うべき筋肉や緩めるべき筋肉を実際に指導者にご自身の身体に触れてもらって、教えてもらった方が絶対に効果的です。

健全な魂は健全な身体に宿るというのは、ある意味真実です。健康な心身を手に入れ、みなさんが実り多い日々を過ごせますように!

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