台湾のゴミ捨て事情にビックリ!日本との違いに想像力が鍛えられた話

台湾におけるゴミ出しの様子 国内外での生活
定時・決まった場所にて

自分の捨てているゴミの行く末をどこまでたどったことがありますか。

集合住宅の中には24時間365日、どのようなゴミをも捨てられるシステムになっているケースが少なくないと思います。

自分たちが作りだしたゴミ。
そのゴミにまみれずに整然とした環境で生活できるシステムが色々な人たちのおかげで成り立っている。

かつてそのことを「当たり前」のように思って生活している自分がいました。

何より「ゴミ回収に関わる方々なくしては生活が到底成り立たない」という想像力が欠如し、ゴミ回収に関わる方々への感謝の念が希薄だったことを台湾で痛烈に自覚させられました。

なぜ台湾?ゴミを回収してくれないの?

違います。台湾独特のゴミ捨て事情に答えがあります。

台湾のゴミ回収システムを体験したことでゴミに向き合い、想像力を豊かにするきっかけをもらいました。

台湾のゴミ捨て事情、自分のモノについての意識の変遷を紹介させていただきます。

台湾大好きという人、旅行でしか訪問したことのない人、あるいは断捨離や引っ越しなどを機にものを減らそうと思っている人、この先のお話で「へぇ、そうなんだ!」「わかる~!」などと思っていただければ幸いです。

台湾のゴミ回収システム~名曲に引き寄せられて??~

台湾のビックリなゴミ捨て事情。

私の住んできた国々(3か国)と著しく異なったことは、

「ゴミ回収車の来訪時に合わせて市民たちが各自でゴミを持ち寄る」ということでした。

その時間不在にした場合、ゴミを出す機会はなし!

台湾にお住いになったことのある方に、「乙女の祈り」または「エリーゼのために」と言えば、「あ~、あれね!」と必ずなります。この2曲のどちらかが、ゴミ収集車から流れてくる曲だから(笑)

かつて台湾在住の日本人の友人は、あの曲を聴くとゴミのにおいまで思い出される!と言うほど。

「台湾」、「ゴミ収集」、「乙女の祈り(エリーゼのために)」などのキーワードでネット検索をすると、「動画」がヒットすることに驚かされます。

その中でも台湾の実生活を大変忠実に再現し、かつ、私自身がゴミ事情の理解を深めさせていただいた動画を紹介させていただきます。

動画でみる台湾のゴミ捨て事情!わかりやすい(*^^)v

「セイコとカイカイの台湾生活 『台湾のごみ収集車』【一分劇場】

こちらの動画の製作者は、細部までかなり調べ上げられていて大変勉強になります。

その中でも劇中で台湾のゴミ回収システムが今のような形に落ち着いたてん末は大変興味深かったです。

台湾も以前は日本と同じ(集積所からの)回収法だったのに対し、ゴキブリ、ひんぱんな雨天、といった諸事情のために今のような個人によるゴミ持ち寄りシステムへと至る

セイコとカイカイの台湾生活 『台湾のごみ収集車』【一分劇場】

このくだりは日本も台湾にならっても良いのでは?と思えます。

というのも持ち寄りシステムを採用するといくつかのデメリットを防げる可能性があるからです。

・カラスによるゴミ漁り
・ゴミ分別の不徹底

これらの問題は日本でも日常的な問題で後を絶たず、そのためにゴミ処理業者ひいては環境にも多大なる犠牲を強いていると常々案じています。

本題に進む前に、話が逸れますが、この動画製作者たちについて少し紹介させてもらいます。

背景のイラストを日本人イラストレーターのせいこさんが描かれています。時折、現地のお写真もイラストと合わせて背景に登場しますが、このイラストとリアル(お写真)のコラージュが絶妙なリアリティを醸しだして動画の魅力を上げています。

声優として「せいこさん」、台湾人パートナーの「カイカイさん」、のお二人が登場されていますが、お二人のかけ合いとイラストの掛け合わせがさらに、魅力を増しています。

知的レベルの高いサザエさんのような雰囲気で、庶民的な親近感伴う作品は、どれをとっても台湾生活を少し経験したことのある人には、ついつい口元がほころんでしまうものに仕上がっています。

台湾のゴミ回収システムが教えてくれた3つのこと

さて、話を台湾のゴミ捨て事情に話を戻します。日本とは相当異なることを理解できたかと思うのですが、次にこのシステムのメリットに移ります。

以下にそのメリットとそれに伴って学んだこと3つを紹介しますね。

1.地域との交わり(他者とのリアルな交わり)
2.ゴミ分別の徹底(モラルの向上)
3.感謝の心(想像力の強化・生活スタイルの変遷)

地域コミュニティの交わり

まず何と言っても、人間がリアルに顔を合わせる機会があるということ。他者との交わりが必然的に伴います。私の住んでいたエリアのゴミ回収時刻は19:30。夕飯を終えた頃、あるいはこれから、です。

回収時間前から老若男女が集っては、世間話をしています。中国語も台湾語も全く話せない私でも、現地の人たちは、片言の英語を使いながら交わり入れてくださったりします。

最近顔を見なかったね、とおっしゃりたかったのでしょう、
“Long time no see!”
と話しかけられることもあったし、3歳くらいの男の子は、”ABCD….”と、私の顔を見るとアルファベットの発表会。

みなさんとても明るく、積極的にコミュニケーションをとってくれるのです。他愛もないけれど、幸せを覚える楽しいひと時です。

ゴミ分別の徹底

次に、ゴミ分別が徹底できるというメリットです。

捨てられるゴミの種類も日によって回収できるものが異なり、そのゴミ区分も日本同等に細分化されています。当然異なるものを捨てる場合は、見咎められる可能性が高くなります。

明らかにルール違反のゴミが捨てられる時には、その場で回収員の方のチェックが入り「捨て主」に返却されている場面が何度もありました。

「見せしめ」と言っては言葉がきつすぎますが、ゴミの捨て方に対して”地域住民の監視”も働くのだと解釈しています。

小さな子供も参加する日常的なプチイベント?ですから、「みんなで気持ちよくゴミを捨てる」という意識が子供のうちから芽生えるのかな?と感じました。

日本は正しく分別されていなくても、そのまま放置されていたりすることもあり、捨て逃げが許される状況でもあるなと思います。

感謝の心

最後のメリットは、回収員さんへの謝意が芽生えることです。

対面でゴミ回収員さんにゴミを手渡しするのですから、感謝の気持ちが湧かない人の方が少数ではないかと思うんです。夜になっても連日のように32℃越えが3ヶ月ほど続く亜熱帯気候の土地。

悪臭と隣り合わせなだけでなく、コロナ禍では感染対策のために長袖、手袋、分厚いマスク、時にはフェイスシールドと、暑さの中見ているだけでも失神しそうな重装備。

ゴミ回収員と対面することの意味を当初はあまり意識していませんでした。

でも、大粒の汗をかきながら分厚いマスクで力仕事をこなされる回収員さんを間近で見て、お顔をおぼえ、たどたどしい中国語でも「謝謝」と言葉をかける。

これを日々繰り返すことで、感謝の念を覚えない方が不思議というもの。

日本ではかつて感じたことのないほど、私はゴミ回収員さんのお仕事のありがたさ、大変さ、尊さを肌で感じました。

想像力も働く

感謝の延長上にあることなんですが、想像力が働くこともメリットとしてあげておきます。

毎日汗水たらして作業される回収員さんを目の当たりし、彼らの負担を減らせることはないだろうかという想像力が鍛えられたのです。

劇的な変化があったとは思えませんが、個人レベルでできることはあれこれと試行錯誤しました。

  • 生ごみを冷凍する
  • ゴミを出さないよモノを使い回す
  • 捨てる時のことを購入時に考える

渡航前の自分の行動より遥かにエコで、他者への配慮ができている自分がいました。

私の周りはゴミだらけ?!想像力の先に見えたもの

想像力が働いた先には、自分はゴミに囲まれて生きているのではないかという発想にまでたどり着きました。

私は20年間9回引っ越しを経験し、そのうち2回は国をまたぎました。引っ越しの度に気が遠くなるほど大量のモノを捨て、環境破壊甚だしい行為を繰り返し、自責の念も抱いています。

「『捨てる』という行為は『買い方』に責任を持つこと」という発想を、この引っ越しの時にずいぶんと自覚させられ、モノを購入する機会は激減しました。

そして台湾でゴミ回収員さんとの触れ合いを通して、「買い方」と同時に「捨て方」にももっと責任を持たなければならないということまで思いが及びました。

ゴミとして捨てるのは簡単なのですが、少しの時間と知恵を絞って別の使い途を探ってみると案外あったりして楽しかったりもします。

  • お菓子の素敵な包装紙(シール、栞のデコレーション、懐紙代わりに利用)
  • お菓子の箱の再利用(カッターやコンパスを使う時に机を傷つけない下敷きに利用)
  • 牛乳パック(まな板代わり)
  • パンの袋(料理の時短のための刻み野菜を入れておく)

「ケチくさい」「しみったれている」と捉えることもできます。それは認めますが、一方で自分で頭を使ってすぐに捨てずに色々と考えだすのは楽しかったりします。

最終的にゴミになったとしても、その前に何かに活用できることで、結果的にはゴミを減らしていることにつながっている場合が多いはず。

リサイクルしているとはいえ、やはり見方を変えると自分はゴミ・あるいはゴミに等しい位置づけのモノに囲まれて暮らしていることを以前よりずっと強く自覚しています。

それは、お店で売っている商品を見るときに顕著です。なぜならば、綺麗に陳列されている品物であっても、それを手放すときの最終形のイメージが必ず浮かぶほどになったからです。

最後に

台湾のゴミ捨て事情から自分のモノに対する意識の変遷をお話させていただきました。

  • 台湾のゴミ捨てシステム・名曲との関連
  • ゴミ捨て事情が丸わかり!リアルな動画紹介
  • ゴミ捨てシステムが教えてくれた3つのこと
  • 想像力がどんどん膨らんでいったこと

日本に帰国してからは回収車の音は聞こえるものの、回収員さんにお礼どころか、あいさつをする機会すら全くなくなってしまいました。ごみの捨て方にも台湾時代ほどの配慮はできていません。

相手の顔が見えないことで、想像力が低下していくことを実感します。でも、感謝の気持ちを持っていることで、想像力が湧いてくることがあると確信しています。

ゴミ回収員さんたちの尊いお働きあってこそ、日本はこれほど綺麗な国を維持できており、私たちの生活を強く下支えしてくださっています。

日本も気候が良い国とは言えません。梅雨は長く、湿度は高い。台湾ほど暑くはないけれど、夏の湿度は優るとも劣らない。短い秋を経て、冬はとても寒く、雪深く凍てつくエリアもある。

コロナ禍でゴミ回収も感染リスクは高いはず。

ゴミ回収に関わられるみなさま、本当に、本当にどうもありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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